プロローグ

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今日も古い電話が悲鳴をあげるように鳴っている。 ここは千田陰陽事務所。 お祓い、調伏、なんでもござれ。 「はいもしもし、こちら千田陰陽事務所でございます」 「え?霊障が消えない?おかしいな、お客様契約書をきちんとお読みになりましたか?」 「………踏み越えてしまわれたんですね、結界。ご契約時に隅々まで読まないと大変なことになると申しましたのに…」 「霊障が近付いてきてますか?そうでしょうね、早く神社やお寺等の清い場所へお逃げください。仏壇や神棚でも大丈夫ですよ」 「………………………」 「………あぁ、駄目だったか」 事務所の主はくす、と笑って受話器を置く。 小気味好いベルが鳴って電話は切れた。 「契約書を守っていただけないお客様には、申し訳ありませんがこちらは保障しかねますので」
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