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通常、事務所にはこの二人しかいない。
仕事が滅多に来ないのだからそれ以上の人間を雇う意味がないのだ。
強いて言うならば、肉体労働や雑用ができる者が居れば便利なのだが。
「兄さん、こないだ見せたポスターはあのままで平気ですか?」
「あぁ」
「じゃあ貼ってきますね」
荷物や書類の分類もそこそこに、博昭はポスターを携え事務所を出ていった。
まったくもって働き者である、と清成は思う。
あれだけ要領良く動けるのだからこんな所にいるよりバイトの1つもした方が良いのではないか。
事務所は更に閑古鳥の鳴く場所になるだろうが、暮らすには困らないのだから構わないのに。
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