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シグレさんの言葉なんですから、シグレさんが説明してくれなきゃ理解出来ないんで」
「解らないのなら、別に無理に理解しようとしなくて良い。
ただ、どんなモノにも“死の距離”がある。
それだけだ。
常人には言っても理解して貰えないから、いわゆる哲学として受け取っておけば良い。
とにかく、俺の隣にいればお前は死なない。
覚えておけ」
シグレと境一がタワービルの中に入った。
中は、役所のように様々な事を統制しているようで、沢山の人が居た。
「シグレさん、いったいここに何の用なんですか?」
「――テロだ」
「え?」
◆
「姉さん、もっと飛ばして!」
「煩いな!
公道を140オーバーで飛ばして走らせてる人に向かって言う?
マッポに見付かったら面倒でしょうが」
「なら、ステルス使ったりミサイル使ったり何とかしろよ」
「だあぁ、煩い煩い煩い。
007のネタなんか私が知るか!」
「いや、姉さん知ってんじゃん」
「とにかく、急ぐけど時間はかかるの。
ちょっと落ち着いたら?」
こんな法定速度を余裕で無視した速度で運転をしながら、雪花は柚月と片手間で会話を続けていた。
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