第三章

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シグレさんの言葉なんですから、シグレさんが説明してくれなきゃ理解出来ないんで」 「解らないのなら、別に無理に理解しようとしなくて良い。 ただ、どんなモノにも“死の距離”がある。 それだけだ。 常人には言っても理解して貰えないから、いわゆる哲学として受け取っておけば良い。 とにかく、俺の隣にいればお前は死なない。 覚えておけ」 シグレと境一がタワービルの中に入った。 中は、役所のように様々な事を統制しているようで、沢山の人が居た。 「シグレさん、いったいここに何の用なんですか?」 「――テロだ」 「え?」       ◆ 「姉さん、もっと飛ばして!」 「煩いな! 公道を140オーバーで飛ばして走らせてる人に向かって言う? マッポに見付かったら面倒でしょうが」 「なら、ステルス使ったりミサイル使ったり何とかしろよ」 「だあぁ、煩い煩い煩い。 007のネタなんか私が知るか!」 「いや、姉さん知ってんじゃん」 「とにかく、急ぐけど時間はかかるの。 ちょっと落ち着いたら?」 こんな法定速度を余裕で無視した速度で運転をしながら、雪花は柚月と片手間で会話を続けていた。
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