第四章

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そんな中で、境一はただ直向きにシグレの顔を直視していた。 全身から噴き出す冷や汗も最早気にならない。 「シグレさん、貴方は!」 境一がその身を翻し、シグレの拘束を解く。 そのままシグレの上着の襟を正面から掴んだ。 「安心しろ、一般人には手を出さない。 ただ、ReFはどうかな。 ReFが超法規的機関なのは知っているだろ。 ReFなら、テロリストが行動を起こせば直ぐ様弾圧に来る。 だが、ここは街のど真ん中であり、この国の生命線だ。 例えReFでも、安易に手は出せん。 まあ、ここが加盟国でなかったのなら、また話は変わってくるが」 少なくとも、今は大丈夫だ。 とシグレが後に付け加えた。 「まったく真面目な奴だ。 誰かが死ぬのは耐えられないか? なら、この体験を本に遺せ。 一片のフィクションも交えず、己の見た聞いた感じたのみで彩る最高のノン・フィクションを」 「本当に、関係ない人は巻き込まないんですね。 信じますよ」       ◆ 『そこで、君の新しい任務はそのビルに立て籠りを行なっているテロリストの拘束、或いは殺害となる。 異論はあるか?』 「いえ。 虐殺でないのならばよろこんで、司令」
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