第四章

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もしもそうなった暁には、私も君を全力を以て処断しよう」 「はっ、減らず口を」       ◆ 「くそ、もうおっ始めてやがる」 柚月が到着したのは、事件が起こり始めた後だった。 既に窓や扉というあらゆる出入口は、部厚い金庫の扉のようなシャッターが下りており、どう見てもここからの侵入は難しそうだ。 アストレアやヴァルナを使い、防壁を斬り裂く事は容易いが、それでは時間がかかる。 その間にReFに襲われれば一溜まりもない。 それに目撃者も多い。 あまりタキオンを他人の目に晒したくないのも確かだ。 「姉さん、スタン・グレネードある?」       ◆ 「では、今から下に行くぞ。 石動境一」 「下って……」 「見取図には載っていない、秘密の地下空間だ。 この場は、俺の部下が見張るから問題ない」「部下って……」 「セイレンの仲間と、少し協力をして貰う一般人。 まあ、何度も言うが俺達は手を出さない」 行くぞ、とシグレが境一を促した。 境一も、今はシグレに従うしかないと踏んだ。 テロリストを信用する訳ではないが、シグレの仲間が誰か完全に判断出来ない今、下手に動くのはかなり危険だ。
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