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そこに直ぐ様滑り込む。
◆
「何笑ってんだよ。
面倒事が一つ増えただけだろ」
「君には解るまいよ。
私のこの気持ちが」
「まあ良いぜ。
俺が全部やってやる。
テメエはそこで黙って見てな。
一般人と俺の違いを見せてやる」
「待ちたまえ!」
そうレナードが叫んで静止させようとするが、バルドロイ=クリムゾン、バルドはまったくそれを聞こうとしない。
その身体を炎に変え、この高場から飛び立ち、ステート・タワービルを目指す。
レナード=ランサー小佐。
国連直属の機関であるReFのランサー隊を率いる隊長である。
独自のカスタムを施した高機動重視のロマネスク、アンラ・マンユを駆り、黒川柚月に対して異常に執着している男。
「何だい?
その、私の人物紹介のようなものは……」
レナードの横には、銀髪の少年が立っていた。
その身を炎としたバルドとは逆に、タッチの差でこの場に現れたのである。
足音も何も無しに、この高層ビルの屋上に。
ただ一つ、空気が膨張する音がしただけである。
「ここから読む読者の為を考慮して、ね」
「こんな途中から読む人間は居ないだろう」
「まあ、良いじゃないか。
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