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「はっ、雑魚ごときが意気がるなよ。
お前が例えボクと同じイリーガルだとしても、お前とボクの間には絶対に超えられない壁が有るんだよ」
左足を伸ばし、右足は曲げてその腕を乗せた座り姿勢。
直ぐ横に自分に怒りの矛先を向ける男がいるというのに、シルバーの心情は氷よりも冷静だった。
「止めておけ。
ボクに一瞬でも触れた瞬間、お前の身体を全て消してやる。
まだ死にたくないなら、さっさと消えて娼婦でも捕まえて腰でも振ってな。
許してやる」
隣の男の顔をじっと見ながら口元を緩める。
「シルバー……
いつかぜってぇ殺してやる!」
そう言って、男は火炎を解いた。
「シャブ漬け小僧には無理だな。
炎じゃ何をどう頑張ったって雷には勝てない。
さぁて、ボクも出かけるとするか。
鴉(レイヴン)狩りにね」
◆
「――――らどうだ?」
「はっ、お前に渡す物なんてないよ。
他人に渡すくらいなら……破壊する」
「まったく強情な友人だ。
君が女なら良かったのに。
そうすれば、痛めつけたりはせずに極上の快楽で楽しく聞き出せるのに。
ああ、――そう言えば確か君の友達に居たね、可愛い娘が……一人」
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