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いつ、と聞かれて、途端に鳴滝彦は困った表情になった。
『そ、そこまでは知りませんよぉ。』
伸太郎の激しい食い付き方に、鳴滝彦は少し面食らいながら言った。
『宗源和尚から、直接聞いたらいいじゃないですかぁ。』
泣きそうな程困った表情の鳴滝彦に、やれやれといった顔をした伸太郎は、呆れたように言った。
「仕方ない、明日の放課後にでも寺に行って、和尚に詳しく聞いてみるか。」
翌日の放課後、伸太郎は鳴滝不動尊住職、水木宗源の家にいた。
「いや、久し振りだね伸太郎君。」
伸太郎に茶を出しながら、宗源は口を開いた。
「高校入学のお知らせ以来だから、二年半振りくらいですか。」
伸太郎は無沙汰の非を詫び、唐突に切り出した。
「裏の塚山に発掘調査が入るって聞いたんですが、いつ入るんですか?」
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