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北側に生い茂った草木を取り除く為、小型のショベルカーが使用され、入り口の辺りを崩し始めた。
間もなく、入り口を封印する積み石か一枚岩が出てくるはずである。
見学者達には、発掘調査の様子がモニターに映され、刻一刻と変化していく現場の状況を捉えていた。
ガリッと音がして、入り口の封印にたどり着いた。
ここからは手作業である。
封印は一枚岩で、表面には赤い顔料で日輪を形取った円形や、舟、波形紋が描かれていた。
再び重機により、注意深く封印石が取り除かれる。
入り口の封印石の大きさは幅九十センチ、高さ百七十センチ程で、厚さは十五センチ程に作られていた。
伸太郎と宗太、鳴滝彦、また関係者や見学者らの期待が高まる。
封印石が取り除かれると、真っ暗な横穴がぽっかりと口を開けた。
古代と現代の空気が混ざる。
「封印石がなくなったら、結界も解けるのかなぁ。」
宗太の呟くような素朴な疑問に、伸太郎が答える。
「封印石がなくなれば、やっぱり結界は解けるだろうね。」
人間が入れる程の横穴が現れ、内部の酸素濃度も外気と等しくなったのが確認されので、調査員達数人がカメラとライトを持ってぞろぞろと横穴に入っていった。
中に入れない伸太郎は思わず声を上げた。
「あ~~、いいなぁ。
調査員のオッサン達、羨ましいなぁ。」
伸太郎が羨望の眼差しを向けている横穴の中では、調査員達が驚きの声を上げていた。
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