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「これは素晴らしい!!」
暗い横穴をライトで照らすと、そこには朱で彩られた壁面が現れた
「この朱はベンガラではなく辰砂のようですね。赤みが全然違う!」
いにしえの色彩において、ベンガラは茶色みを帯びた赤色の顔料で、酸化第二鉄が主成分となっている。
これに対して、辰砂は水銀の硫化鉱物で、ベンガラよりも明るく赤みが強い。
朱色の横穴を照らしながら数メートル進むと、石室に辿り着いた。
「おおっ!!」
調査員達はさらに驚きの声を上げた。
盗掘を免れ、副葬品が全て遺っていたのである。
石室の入り口から、奥にある木の棺の前まで、素焼きの坪や埴輪等が所狭しと並んでいたのである。
また、石室の壁は外側の盛り土と同じく、正確に東西南北を向いており、東の壁面には青竜、南面には朱雀、西面には白虎、北面には玄武の四神と天女等が描かれ、天井を覆う巨大な一枚岩の天井には、北辰等の天体図等が色彩豊かに描かれている。
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