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さらに、伸太郎の元には、古墳の貴人より授かった霊剣もある。
平安時代末期に現れた鵺と同じものならば、通常の浄霊でも退治できる筈だ。
「それでは宗太にも話をしなければな。」
宗源は腹の底から「おーい」と声を上げた。
さすが勤行等で鍛えた声である。
窓ガラスがビリビリと震えた。
「はーい。」と声がして、宗源の孫、宗太がやって来た。
「あ、伸太郎先輩、久し振りっす♪」
宗源は宗太に、かくかくしかじかと話して聞かせ、覚悟の程を尋ねた。
「わかった、大丈夫だよ爺ちゃん。伸太郎先輩と一緒ならね♪」
帰宅部の伸太郎とは違い、年がら年中サッカーボールを追い掛けて、さらに厳しい修業をしている宗太は、彼独特のテンションの高さで応えた。
(いつも無駄に元気な奴だなぁ。)
心の中で思いながら、伸太郎は言った。
「宗太、よろしく頼むよ。」
伸太郎の言葉に、宗太はさらりと応えた。
「まかせて下さい、伸太郎先輩♪」
伸太郎が宗源の元を訪れてから、数日が経過した。
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