四、奇談の三 鵺(ぬえ)

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 今の所は鵺出現の知らせもなく、変わった事はと言えば、今まで以上に伸太郎の周囲を宗太がうろちょろしている事くらいだろうか。 時には鳴滝彦も加わって、以前よりも一層伸太郎の周りが賑やかになった。  (ま、こんな雰囲気も悪くないかな。)  本来ならば、静かな環境を好む伸太郎なのだが、後輩の宗太と護法童子の鳴滝彦が一緒になって騒いでいるのを見ると、兄弟がいたら、きっとこんな感じなのだろうと、一人っ子の伸太郎は思うのだった。  「伸太郎先輩、鵺ってどんな力を持ってるんでしょうね?」  宗太の問いに、伸太郎は脳内のデータベースをチェックした。  「そうだなぁ、確か平安末期に現れた鵺は、風や雲を呼び、雷を操るとか記録されてたんじゃなかったかなぁ。あとは、鋭い爪で人を襲い喰らったとか、異様な臭気があったとか…かな。」 伸太郎は脳をフル回転させて鵺のデータを宗太に話した。  「そういや、鳴滝彦は鵺を見てたりするんじゃないのかい!?」
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