思春期クラブ

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 しかし、朝のホームルーム後もキキョウちゃんに部について聞こうとする度に邪魔が入り、まともに話せないまま放課後になってしまった。 今日に限っては何が起こるか分からないので、なるべく人気のないところへとキキョウちゃんを連れていった。 その時、キキョウちゃんの様子が少し変だったけど、たぶん気のせいだろう。 それよりも、周りに邪魔になるようなものがないことを確認し、本題に入ることにする。 「キキョウちゃん。こんな場所で何なんだけど、朝の話を詳しく聞かせてもらえる?正直、あれだけじゃ、よくわからなかったの。お願い」 私が話す前、何故かキキョウちゃんの顔は、赤み掛かってたのだけど、私の言葉を聞くとスッと赤みが引いた。そして 「そう…その話ね…。ふふ、気にしないで頂戴。私の早とちりだったわ。ええと、朝の話だったわね?良いわよ。教えて差し上げるわ。というよりもぜひ聞いてくださいな」 それからキキョウちゃんは、私の顔をまじまじと見て、 「…私は何を勘違いしてたんでしょう…」とぼそりと呟いた。 「まぁいいわ。部活の話だったわね。それは何をするのかというと朝も言った通り、一度しかない高校生活を充実させて、一生ものの思い出を作るのが目的よ。香澄、貴女は、こう言ってはなんだけど、他の人に比べてわりかし損をしていると思うのよ。トカゲノシッポに関しては特にね。だからこそなのよ。お節介だと思われてもいいわ。私は、貴女に充実した生活を送ってもらいたいのよ。そして、私を初めとした様々な人達と高校生活の思い出を作ってほしいのよ。具体的には、まだ何をするのかも決まっていないけれど、それは一緒に考えていけばいいと思うわ。どうかしら?これで大丈夫かしら」 何となくだけど、キキョウちゃんのしたいことがわかった。けど、わざわざ部活を作る必要性があるのかわからない。別に、今ある部活に入っても充実した生活は送れると思う。なのに何故キキョウちゃんは部活を作りたいのだろうか。 「う~ん。話はわかったけど、なんでキキョウちゃんは部活を作ろうと思ったの?」 考えても仕方ないので直接、聞いてみた。 「それはね…」
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