思春期クラブ

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「それでは必要な書類を書きに行きましょうか」とキキョウちゃんと一緒に教室に戻る途中、ふと気になったことをキキョウちゃんに聞いてみた。 「ねぇ、キキョウちゃん。私が部長をやるとして、キキョウちゃんが部員でしょ。二人だけで部活って作れるの?」 キキョウちゃんはその質問が来るのを、予期していたようで、 「流石に二人だけじゃ作れないわね。でも安心して、香澄。既に手は打ってあるわ」 「と、いうと?」 「この学校で、新しい部活を作るのに必要な人員は顧問も含めて五人なの。その内、私と香澄の二人は確定。顧問になってくれそうな先生も確保済み。そして、もう一人確定済みな人がいるわ。香澄、貴女もよく知っている人よ。そして、そのもう一人は、最後の一人を確保してもらいに行ってもらっているわ」 そこまで言って、キキョウちゃんはどうかしら?という風に私を見た。どうといわれても、私はキキョウちゃんの行動力にただただ驚いていた。行動力がある人だとは思っていたけど、ここまで手回しが早いとは思わなかった。そして何よりも驚いたのは、私の返事を聞く前にここまで動いていることだ。仮に、私が頑なに断ったらどうしていたのだろう?何となく予想はできているが、聞いてみよう。 「相変わらず手際がいいのね。 ねぇ、キキョウちゃん。もしもの話だけど、私が断っていたらどうする予定だったの?」 「まさか、香澄。乗り気では無いの!?」 「いいえ、もしもの話よ」 「そう。もしもの話ね。……考えていなかったわ。貴女が断るとは思っていなかったわ。でも、そうね。もし香澄が断っていたら、……その時はその時よ。如何なる手段をとってでも引きずり込んであげてたわ。」 「……断らないで良かったよ。キキョウちゃんに何されるかわかったものじゃないもの」 「私は、今から何かしても良いのだけれど……香澄、どうかしたの?顔が少し赤いわよ」 「何でもないよ、キキョウちゃん」 口ではそう言ったものの、信頼してもらっている気がして、とても嬉しい。でも、そんなことを考えていた気恥ずかしさを誤魔化す為に 「そう言えば、私が知っているもう一人って誰なの?」 「伊藤君よ。昨日のうちに話をつけておいたのよ。というよりも部活を作った方がいいと言ったのはあの男なのよ?」 「そうなの!?」 私は驚いたと思う。
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