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そうして、二時間ほど過ぎ、校舎に残っている人が少なくなってきた頃、伊藤君から連絡がきた。キキョウちゃんへメールで、
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from:伊藤君
件名:見つけた
本文:第二校舎の二階の左端の
教室で待つ。
―END―
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と書いてあった。キキョウちゃんは遅いのよ。とかブツクサ言っていたが、今日中に部を発足できる見通しがついたのを嬉しく思っているようだった。
そして、私は意は決していなかったが、キキョウちゃんに引きずられるままに指定された教室に向かった。
そこにいたのは、伊藤君と背の高い二年生のお姉様だった。場所を聞いた時から厭な予感はしていた。何故なら、この第二校舎は二年生の校舎だからだ。話が違うんじゃないの?と私は、キキョウちゃんをジト目で睨んだ後、伊藤君の方も同じように恨みがましく睨んでやった。どうせこの二人にはこんなことをしても効かないとわかっていても、せずにはいられなかった。無難な人選をするみたいと言っていたが、この人選は無難でも何でもないと思う。もし、先輩が相手でも、もう少し見た目が大人しそうであったりすれば、私でも大丈夫だったかもしれないが、目の前にいる先輩は背が高く、野暮ったい制服の上からでもわかるくらいスタイルが良く、まるでモデルのようだった。また、スタイルだけでなく、お顔の方も人形のように整っている(キキョウちゃんを日本人形だとするなら、先輩は西洋のビスクドールのようである)。そして、見た目だけでも麗しいのに、何かフェロモンのようなものが全身から迸っているように見える。明らかに難易度が高めな人選だった。話しかけようとするだけでも手首が千切れそうだ。でも、この状況は私が行動をしなくてはいけないのだろう。考えようによっては、男の先輩じゃないだけマシだともいえる。キキョウちゃん達もニヤニヤと事態の推移を静観するみたいだし、場を動かす為に私は部長として行動する。
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