今日と明日の間

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 こんばんは。講義の時間です。今夜の講義ではトカゲノシッポについて説明させていただきます。  トカゲノシッポとは通称であり、正式名称はストレス性末端四肢断裂再生症です。ストレスが急激に高くなったときに手首や指、足首などが千切れる症状です。ストレスの大きさによって切れる範囲が変わるようで、過去には肘より先まで切れた例もあります。  この症状の特徴として、切れるときには、大きな音がし、痛みが無く、血が出ないということが挙げられます。大事な所です。テストに出ますよ。  また、再生症の名の通り、切れた四肢はすぐに再生します。大体は、二十四時間以内に再生するようですね。先程の肘まで切れた例ですと、完全再生までに二日かかったようです。ここから部位が広がるほど、再生に時間がかかることがわかります。再生するときには大きなエネルギーを使うため、強い倦怠感と疲労感を感じ、無気力になります。これは再生が終わるとピタリと止みます。これもこの症状の特徴ですね。  そしてこの症状のもっとも大きな特徴は、思春期・青年期と呼ばれる発達段階にのみ発症することです。成人期になるとこの症状は止みます。多感な時期のストレスは、それだけ身体に与える影響が強いということですね。 最後に何故トカゲノシッポと呼ばれているのかについてご説明しましょう。まぁ、すでにお気づきの方もいるとは思いますが。簡単にいうと危機的状況からの逃避です。蜥蜴は外敵から逃れるために尻尾を切ります。そしてトカゲノシッポも多大なストレスを感じる状況において起こります。身体的・精神的の違いはあれど、似ているでしょう? あぁ、言うのを忘れていたことがありました。現在トカゲノシッポの発症者数はそこまで多くありません。思春期の男女の十万人に一人くらいの割合でしょうか。つまり、世間の認知は低いと言うことですね。発症した人は例外なく、差別や偏見に遭うことでしょう。もしトカゲノシッポの人と知り合うことになったら、皆さんは正しく認識することで、優しく接してあげてくださいね。 それでは本日の講義はここまでにしておきましょう。皆さんよく復習しておいてください。それではまたどこかの夜に会いましょう。
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