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大柄な方は猪俣護郎くん…鹿児島代表の選手で柔道の有段者。
対して小柄でメガネをかけている方は長浜憲一くん…徳島代表。
「…それで?鹿児島代表のキミと徳島代表のキミが揉めてた理由は何だったのか教えてくれる?」
「別に…理由なんてねぇよ。
ただ…あいつがムカついたから、相手してやってただけだよ。
それに何か問題がありますか?」
高柳さんは、長浜くんをチラッと見たけど…すぐに目を反らした。
それを見た高柳さんはニコニコと満面の笑顔を浮かべたまま…
「サメの餌になりたくなかったら正直に話した方がいいぜ?
あんまし気は長くないから…ね」
満面の笑顔の下に明らかな殺意を込めながら言う彼に恐怖した。
「猪俣…話した方がいいぞ」
「でもよぉ!」
猪俣くんに耳打ちしたのは、佐賀代表の熊谷剛志くん…大柄だ。
「いや…ダメだ!言ったら事務局から何て言われるか――」
「ウダウダウダウダうるせェ!」
ついに高柳さんがキレた。
「ご託を並べる余裕があんなら、正直に話したらどうなんだ…?
悪いようにはしねぇからよぉ…」
ついに猪俣くんは黙った。
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