一時の楽しみ①

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―11:12 船内通路 ライブまで、まだ時間はあるから船内をぶらぶら歩くことに… すると目の前に3人組のスーツの大人がいて何か話している。 「いたか?」 「いや、どこにもいない」 「早く探せ!手遅れになる」 そう言うと3人は散々になった。 「ゆーきと!」 「叶多くん…」 「どーした!元気ないな~」 叶多くんのことは好きだけど… その元気さについて行けない。 「はぁ…」 「幸人、顔色が悪いなぁ…もしかして…今日はアノ日なの?」 「アノ日…?」 叶多くんは頷いて耳打ちした。 そしたら、ボクは真っ赤になって顔から火が出るほど恥ずかしくて叶多くんを叩いてしまった。 「ゴメン…ゴメンて!軽い冗談…ジョーダンだってば!ゴメン…」 そんなに悲しそうな顔されたら、これ以上は何も言えない。 「幸人は…優しいね」 「えっ…」 「いいお嫁さんになるよ」 「――お嫁さんなの?!」 「もちろん!俺の嫁~♪」 時々、冗談なのか本気なのか叶多くんの感情が分からない時が… 「俺は一途だから!」 「はいはい」 ――…でも、悪くはないかな。
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