いらっしゃいませ

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「ふぁぁぁ・・・・・・眠い」 此処は何処かにある、幻想カジノバー―蒼夢(ソウム)―。 そのカジノのマスターであり、管理者である流夜の朝は早い。 髪を整え、衣装を整え、店内を整え。 とにかく仕事が沢山あるのだ。 「流夜!」 ひょっこり現れた青年。 茶髪のくしゃくしゃの髪に青い瞳。少し高めなテノールの声。 服は黒いコートを着込んでいた。 「まだ開店には早いですよ、スカイ」 「別に良いじゃんかよ~」 スカイ、と呼ばれた青年は口を尖らせながら文句を言う。 スカイは幻想世界から来るお客様の一人。 このカジノには、年齢制限なんてものは、存在しない。 「って・・・・そのコート、まさか・・・・」 「そう、サンからかっぱらって来た!」 「・・・・・・・後でちゃんとに返すんだぞ?」 流夜は呆れた声と共に溜息を漏らした。 スカイは笑っているままだった。
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