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「紛らわしいことすんじゃねぇぇぇぇぇ!」
「ひゃうっ!」
彼は怒声を上げ、紫苑は小動物の様な声を上げる。
「もしかして俺が過ちを犯しちゃったのかな~って不安になっちゃったんだぞ?」
「私とえっちなことしたくなかったのか?」
「そういう訳じゃ……」
「じゃあどうして私を拒むのだ?ちょっとくらい近づきたいって思っちゃいけないのか?」
時々彼女はこうなる。あまりにも実家が裕福すぎる故に少なからず孤独を味わっていた時期があった。その後遺症とも言うべきものだろうか、時折『寂しい』という感情が噴出してしまう。
以前にも何度かこういう事があり、ここで対応を間違えれば彼女を傷つけかねないのは分かっていた。
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