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「違うって。ただいきなりの事だったからびっくりしただけなんだよ」
「じゃあ、今日一緒に寝よ?異論は認めないからな?」
「いや、そうじゃなくて……」
「いきなりではないだろう?ならいい筈だ!」
どうやら対応間違えたらしい。こうなったら最後、こちらが彼女の要求を呑まないと彼女を泣かせる羽目になってしまう。
「分かったよ!」
彼はその場で紫苑を抱き寄せ、唇を重ねる。彼女も最初こそ驚いたものの、すぐに目を閉じ彼の背中に手を回す。
数十秒の時が過ぎただろうが、二人には悠久の時が流れた様に思えた。
彼の判断は間違ってはいなかったが、問題はその場所だ。ここは学校のすぐそばで、今は登校中の生徒が続々と現れている。
そうなれば、当然人に見られてしまう。周囲は携帯で写真を撮ったりヒソヒソ話を始めていた。
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