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「………」
彼は非常に落ち着いていた。体は落ち着きを無くして動いてはいるが、頭の中だけは冷静だった。
目の前で喘ぐ幼馴染。そんな彼女を見て、彼の口からぽつりと言葉が漏れた。
「………満足か?」
その言葉に反応して、ぴたりと彼女の動きが止まる。
「どういう……ことだ?」
彼の言葉の意味が理解できず―――いや、理解しているはずだがどうやら彼女はそれを認めたくないらしい。
「こんなことして満足かって言ったんだ」
その言葉が紫苑に突き刺さる。付き合いの長い彼に、無理をしているのを見破られたのだ。
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