ACT.3

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そうしてふらふらと歩き、いつもの十字路に差し掛かった。 その時。 「きゃん!」 「……いって」 人とぶつかってしまった。まだ寝ぼけているからか、そこまで痛くはなかったが、相手の方は目に涙を浮かべている。 「どこ見てるのよ!バカ!変態!死ね!」 「初対面の人は罵倒しろ、とでも教育されたのか?随分な挨拶だな」 スラリとした華奢な体。体の凹凸は標準程度で、短めのサイドテールと気の強そうな吊り目が可愛らしい。 「そんなの、時と場合によるわ!ていうか、さっさと謝りなさいよ!」 「ドーモスンマセンシタ」 「棒読みしない!」 立ち上がる隼人につられて少女も身を起こそうとしたが、足に鈍痛が走った。どうやら避けようとした際に無理に足を捻ってしまったらしい。
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