ACT.3

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「……優しいのね」 「女性オンリーでな」 「女たらしなの?」 「レディーファーストみたいなもんさ」 まだ彼が幼い頃、紫苑にそうしつけられた後遺症ともいうべきものだ。 「あ、ここです」 「そうか。……って、俺んちの隣じゃねーか。越してきたの?」 「一ヶ月前に越してきたのよ。ちょっと色々あってね」 「ふーん」 彼女を下ろし、自宅へと向かう隼人。女の子とはいえ人一人を運んで疲れたので、そろそろ眠ろうかと考えていた。 自室に入り、鞄を乱雑に放りベッドに寝転がる。結局名前は聞きそびれてしまったが、聞こうと思えばいつでもっできる。ただ、今は寝ていたかった。
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