8人が本棚に入れています
本棚に追加
若い執事が喋りだそうとする前に王様が彼の前に膝を付き、ガシッと肩を掴んだものだから、何が起きたのか確認するため顔を上げた。
そこには、ものすごい迫力の顔があり、間違いなく自分の目を真剣に見つめている王様の姿があった。
国の長たる王様が、自分の目前にいるという緊張と、いまだ肩にかかる王様の手の握力によって彼の瞳には、恐怖の色が見てとれる。
しかし彼も気丈なもので、報告しようと賢明に口を動かそうとしてはいるが、 やはり緊張と恐怖のせいで、酸欠の金魚の様にパクパクと空しく動いているだけで言葉を発するには至っていなかった。
最初のコメントを投稿しよう!