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そよそよと初夏を思わせる風が吹く五月。暦の上では夏だ。砂場では、まだ小さな子供たちがトンネルを造って遊び、行き交う人たちは、笑顔で話している。何でもない日常の風景…。
結衣「はぁ…」
ため息混じりで、公園を通りすぎ、河原の近くの桜並木を歩く。桜はもぅ時期が過ぎて、生い茂った美しい緑色の葉が、我こそはと太陽の光を浴びて光合成を繰り返す。結衣は、大学に向かう途中にあるこの道がすごく好きだった。ゆっくりと、今日の桜の様子をうかがいつつ、口笛を吹きながら歩く。
ふと風が吹いた…
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