―第一章―《五月》
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風はいたずらに結衣の柔らかく栗色の長い髪を、遊ぶように舞いあげた。手に抱えていた投函するはずの手紙が、空に吸い込まれる… 結衣「あっ…ちょっと…まって…わぁ!」 髪の毛を押さえながら、河原の方に落ちていった手紙をわたわたしながら追いかける。 手紙は緑色の草の上に落ちた。急いで走っていくと、また…風が吹いた。突風のような感じで、結衣は思わず目を閉じた。
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