チョコレートより苦く、ケーキより甘く

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チョコレートより苦く、ケーキより甘く

「あー、おいしい♥」 ほっぺを食べものでいっぱいにして、高野はいつになく嬉しそうだ。 「涼介くん、次どれ食べますー?」 キョロキョロと辺りを見回しながら涼介の服の袖をクイッ、クイッと引っ張った。 「えー、まだ食べるのー!?」 中華街を歩き始めて2時間になる。高野さんと中華街に出かけるといつもこうだ。 「まぁ、2人でいられるからいいけど…。」 「ん?涼介くん、なんか言いましたか?」 「なんでもない!それより、そんなに食べて大丈夫なの?」 顔をしかめて涼介が高野に聞くと、高野も少し顔をしかめて立ち止まった。 「私を誰だと思ってるんですー?食いしん坊探偵、喰いタンですよー?」 お腹をポーンと叩いて得意気な高野は再び笑顔に戻って歩き始める。
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