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「高野さん…バカ。」
「泣き虫さんにバカって言われたくないですねぇ。」
「泣き虫さん言うな!」
「だって泣いてるじゃないですかー。」
「だから泣いてない!」
こんな風に言い合っている時間でさえ、なんだかとても愛しい。涼介はそんなことを思いながら、いつものように高野の少し後ろをついていく。
「さて、そろそろ帰りましょうか。」
高野はそう言うと、急に後ろを振り返った。
「涼介くん、目に何か入ったみたいなので見てくれませんか?」
「うわっ、え?あ、うん。」
急に振り返った高野に慌てつつも、涼介は言われるがままに高野の目をのぞきこんだ。
その時―――
「チュ。」
唇にやわらかいものが触れた。
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