チョコレートより苦く、ケーキより甘く

2/11
前へ
/11ページ
次へ
「もう、高野さんは…。そんなに食べたら夕飯、食べられなくなるよー?今日はせっかく京子ちゃんがおでん作ってくれるのに。」 歩幅の広い高野の少し後ろをちょこちょこと追いかけながら、涼介はいつものようにブツブツと高野に話しかけていた。 「もー、涼介くんは分かってないですねぇ。さっきも言いましたけど、喰いタンの喰いは、食いしん坊の喰いなんですよ?もちろん京子ちゃんの手料理も、しっかりいただくに決まってるじゃないですか。」 「あぁ、そう…。」 (まったくこの人は…。一体どんな胃袋をしてるんだろう。毎回毎回びっくりするくらい食べるから心配になるっつーの!) 涼介は心の中でもブツブツ言いながら、それでも高野のすぐ後ろにぴったりとくっついて歩いていた。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加