チョコレートより苦く、ケーキより甘く

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「あ!あれ美味しそう!」 高野は突然声をあげると、お目当ての店へと走り出した。 「あ、ちょっと待ってってば。」 「涼介くん、こっちこっちー!」 あっという間に店の前にたどり着いた高野は、早く早くと涼介に手招きをしている。 「んもう、だから待ってってば!」 こういう時だけは早いんだから…。まぁ、そんなところも好きだったりするけど。 俺が高野さんに、この気持ちを伝えてからもうすぐ1ヶ月が経つ。高野さんも俺の気持ちに応えてくれて、俺達はつまり付き合っている…よな? というのも、今でも付き合う前となんら変わらず、高野さんはちっとも好きって言ってくれないし。なんだか不安になってきた。それでもやっぱり、高野さんの笑顔を見るとそんなこと忘れてしまい、うれしくなる。 「大好きなんだなぁ…、高野さんのこと。」 道の反対側で自分を急かしている高野を見ながら、涼介は高野への気持ちをあらためて感じていた。
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