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「あー、はいはい今行くよ!」
いつものぶっきらぼうな口調で返事をすると、涼介は高野のもとへ小走りで向かった。
「もー、遅いじゃないですか、早くしないと売り切れちゃいますよぉ?」
そんな涼介の気持ちを知ってか知らずか、高野は相変わらずマイペースだ。
「そんなに急がなくたって大丈夫だよー。」
「だめだめ!涼介くんは甘いです。食べたいものを見つけたら考える前に走るんです。探偵や警察だって、犯人を見つけたら走るでしょう?」
「まぁ、そうだけど…。」
微妙に納得のいかない例えに複雑な顔をしている涼介に高野が言った。
「欲しいと思ったらすぐに行かなきゃ、逃げられちゃうってことですよ。」
いつの間に買ったのか、手には肉まんを持っている。
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