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「あ、いや別に。高野さんは罪な人だなーって考えてたの。」
涼介は、ウソっぽく本当のことを答えた。
「ん?…罪…な人…ですか?」
口いっぱいの肉まんのせいで、とぎれとぎれになりながらも高野は涼介に聞き返した。
そんな高野を見ながら半分呆れて涼介は答えた。
「そうそう。罪な人だよ、高野さんは。人が心配するくらい食うし、目を離すとすーぐいなくなっちゃうし、女の子にはモテるし、恋人のこと、好きかどうか分かんないし…。」
そこまで言ってから、余計なことを言ってしまったと思った涼介は口を閉じて高野の少し後ろに下がって歩き始めた。
………。
数秒の沈黙。涼介はバツの悪そうな顔をしている。
(余計なこと言っちゃったなぁ…)
辺りはにぎやかなのに、2人の間はやけに静かな気がした。
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