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涼介がそんな空気に押し潰されそうになっているとき、高野が口を開いた。
「涼介くん、私は食いしん坊ですけど、いくらでも食べられるわけじゃありません。どんなに美味しいものでも、お腹がいっぱいになったらそれ以上は食べられません。」
「…?」
真剣に話しているようだが、意味がよく分からずに涼介が困惑していると、高野はさらに続けた。
「でもね、涼介くん。私は涼介くんのことを沢山知りたいんです。知っても知っても、まだ知りたい。まるで涼介くんは、食べても食べてもお腹いっぱいにならないご馳走みたいです。私はご馳走が大好きですから。でも、だからといって飽きがくるわけでもなくて、私は一生涼介くんというご馳走を味わっていたいですよ。」
高野はおだやかな口調でそう言うと、振り返ってニッコリと笑った。
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