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「高野さん…。」
なんだか俺、頭の中が混乱してるけど、さっき高野さん、俺のことご馳走みたいって言ったよな?それで、ご馳走が大好きだって言ったよな?
それって、それって、
「俺のことが好きってこと?」
思わず声に出てしまった。
すると高野は少しびっくりしたような顔をして、静かに立ち止まった。そして、すぐ後ろにいるであろう涼介に振り返らずに答えた。
「はい。」
一言だが、心の底からの深い返事。
そしてまた歩き出す。しかし今度は、さっきよりゆっくりと。
「…。」
涼介は目を赤くしていた。
恋人に好きと言われたくらいで泣くなんて変かもしれないが、涙を止めることができなかった。でも、高野に泣いていることを知られたくなくて、涼介は静かに高野の後ろを歩いていた。
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