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下忍の任務で難しいことはない。ただ、常よりも気を使わなければならないだけで。 夜が己の本来の顔なら、今の明るい雰囲気を纏いにこにこと少女に笑いかけるコレは何なのだろうか。 サクラと会話をしながら怪しまれないように視線を集合場所全体に向ける。木の幹に背を預けて腕組をして、ダルそうに寄りかかっている黒髪は見知った相棒。会話が一区切りつくと、彼の傍まで走りよる。 「あれー?なんでシカマルたちがいるってば?」 「今日はアスマ先生に別任務が入っちゃったから、あんたたちと合同任務よ。ちなみに、紅先生も同じようにいないから、8班も一緒よ」 訊ねられたシカマルではなく、近くの木陰で日差しを避けていたイノが答えた。イノは白く長い髪を後ろで一つに束ねていて、親指をくいっと立てると少し離れた場所にいるキバ・シノ・ヒナタに向けた。 「そうなのかぁ」 頭の後ろで手を組みながら、イノに向かって言う。"少年らしい行動"を上回るくらい馬鹿な行動がこの"ナルト"にはあっているのだ。しかし、目線をちらりとシカマルに向けて周りの誰にも気づかれないように口を動かさず、声も出さずに会話をする。 所謂読心術だ。
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