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俺が次に目を醒ました時、由羽はまた俺の上にいた。
「ったく、こいつは……」
仕方なくそのまま体を起こして辺りを見回すと、まず創真を見つけた。
「なんだ、起きたか」
「それより……此処、何処だ?」
回りには木が生えており、草も伸びている。
「さあ……でも、幻想郷のどこかだと思うけど」
「そっか……ついに、来たんだな……」
未だに信じられない。
でも、ここが元居た世界だとは思えなかった。
「とりあえず此処を動こう。本当に幻想郷なら妖怪に出くわす可能性が高い」
冷静な思考を巡らす創真に安心したのか、自らも冷静さを取り戻してきたようで思考が鮮明になった気がする。
「そうだな……神社か人里にたどり着ければいいけどな」
まだ起きない由羽を背負い、創真についていく。
由徒達は、幻想郷での第一歩を踏み出した。
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