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果てない夜が始まる。
小さな蝋燭の無数の灯。
きらめく銀の光だけが私を掬う手立てのように
無数に無数に証を四肢に刻む。
生まれ、そして今だのうのうと生きている事を
ただ呪いの言葉と憎しみを込めて
きらめく銀と、流れ出す鮮血。
無意味な、そして今日までの自分を書き替える為の儀式。
そこに四肢の痛みはなく、
只あるのは破れてしまった心の痛みと孤独感。
『あの時死んでいたのが彼の人でなく自分だったのなら…―。』
際限無く続く後悔と 。
独りよがりな悲壮感。
独りよがりな孤独感。
痛くて痛くてまだ此処に居たくて。
もう戻せない時を悔いては永遠に自戒する。
『二度と幸福な場所も、温かい『家族』も。壊してしまった自分だからのぞまない』と。
仮初の『居場所』はいらなくて。
ただ、
抱き締めたくなるような。
抱き締められる場所が欲しかった。
裏切りに懺悔を。
そしてそれに見合うだけの舞台を、
未だ探してさ迷う心は
真っ黒な血の闇に飲まれて。
羽も手立ても失って。
只此処に一人で。
あぁ、願わくばどんな形でも。
只微笑んで死ねる緩かな死を。
何も許せない、
自身も、何もかも。
それでも朽ちて死ぬ時は。
全て許して死ねるように。
後悔ない輝きを、
それだけが只望む真実。
たとえこの次の瞬間に死が訪れても。
笑って死ねるように。
不確かな真実。
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