第1話:プロのローグ?

5/5
前へ
/464ページ
次へ
  **** ここは裏ギルド本部、もとい表ギルド本部の地下30階。 裏ギルドのマスターの書斎には一人の男性が座っていて山の様な書類に目を通していた。 「んーと、皆さんに討伐に出てもらいましたから… うん、今の所活発化している組織は全部潰れましたね」 と、男性が嬉しそうに独りごちている。 言わずもがなこの男性が裏ギルドのマスターだ。 「ん、そろそろ<死神>君が帰ってきますね…」 ギルドマスターがそう言うと書斎の机の前が突然光りだし、そこからさっきまで廃墟もとい研究施設にいた黒ローブの少年が現れた。 「ご苦労様です<死神>君。でもなんで転移不可の結界をわざわざ破って転移するんですか、てかなぜ出来るんですか!?」 「ぅ? 何故ってそこに結界があるからに決まってるだろ?」 そこに山があるからみたいな? 結界を破ると簡単に言うが、破るには結界と同じかそれ以上の力をぶつけないといけなく、ギルドの転移不可の結界はギルド本部全てを包み込む程の魔力量でできている結界であるため、普通なら絶対に破る事が出来ない筈であるのだが…。 「まぁ、主人公クオリティ?」 「……自殺志願者ですか?」 とても素晴らしいスマイルであるが目が笑ってない。 「ははは、いや、ホント調子乗りました。 だって俺、魔力多いもん」 「はぁ、たしかに<死神>君は規格外ですからね、まぁ座って楽にしてください」 少年の底の見えない強さにマスターは苦笑しながら、ソファに少年を促す。 「ふぅサンキュ。あぁコレ報告書、あと施設は消し飛ばしといた」 サラッと凄いことを言った少年はソファに腰掛けながら懐から、いつ書いたのか今回の任務の報告書を渡す。 「フムフム、また《特殊》属性を獲ってきたんですか今度のは何だったんです?」 「……聞きたい?」 少年は勿体ぶりながらフードをとる。 そこから出てきたのは漆黒の髪と眼、そしてすれ違えば皆振り向くだろう超美少年の顔だった。 「なんと今回の属性は! ……《解》と《築》の2つだった!」 「ほうほう、さしずめ、分解と構築と言ったトコですか、それはまぁ属性と言うより能力と言った方が語弊がありませんね」 「まぁな、まぁそれはまた今度で…。 ふあぁ~ぁ、もう3時じゃねぇか……そろそろ部屋にもどるわ、オヤスミ」 「はい、お疲れ様です」 少年は《転移》を唱え自室へ戻り、足早にベッドに潜り込み夢の世界に旅立ったのだった…。
/464ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24472人が本棚に入れています
本棚に追加