転校生

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「・・ダリィ」 髪の毛をオールバックに固めて、胸元をあけた学生服を着た不機嫌そうな少年がまだ人がまだらな商店街をだるそうに歩いていた。 「いまさらだが、何で夏休み明けに転入なんていうことをしてんだ」 機嫌が悪そうにタバコをくわえる。 ※未成年でタバコはだめだよ! 「・・・了承したのはおれだ」 少年は天然だった。 「あーめんどくせ、ふけっかな」 転校初日で不穏なことを言う少年 「・・どこにでもいやがんな」 少年の目の前に移るのは いたいけな少女を無理やり襲おうとする男たち。 「とりあえず遅刻は決定だな」 少年、龍宮慎一は不敵に笑いながら不良達に歩みよる。 「遅いな」 月ケ丘高等学校の職員室で死んだような目をした美形の男がタバコを吸いながら機嫌悪そうにしている。 この男の名前は紫藤拓海。 龍宮慎一が転校するクラスの担任だ。 機嫌悪そうにしていると 職員室にガラガラと激しい扉を開ける音がした! 「ちぃーす」 扉の先にはやる気なさげな少年がだが、職員室の先生達が注目したのはそんなことではない。 赤い 全体的に 赤いのだ 着ている学制服に血がべったりとしみついてる。 いわゆる返り血というやつだ。 くわえて拳に血がついてる 「・(殺った?)」 「(目がやばい)」 「(平然としてすげぇ)」 先生達は喉元をごくりとならす 「おい」 拓海教諭はずいと前に出る。 先生達は何かを言うのかと期待する。 「ちゃんと連絡するんだ、 めんどくなるだろ」 「すんませんす」 職員室にいる先生達は一斉に ずっこけた! 「・・??」 拓海はタバコをふかしながら、 先生達をみる。 「先生、他に言うことが・・」 先生の一人が声をかける 「言うこと・・」 拓海は考えるとはっとした!! 「転校生!!」 「お前は、血みどろじゃないか!」 「ああ、ちょっと」 慎一は苦笑しながら笑う 「洗ってこい」 ずざざっ!! 先生達はずっこける。 ほ か に な に か い う こ と が あ る で し ょ う がー!! 先生達の声にならない 叫びに気付かずに 慎一は頷き、拓海と共に 職員室を後にした。 ねーねー 知ってる 転校生が来るんだってさ まじで!! 女の子かな!! かっこいい 男子らしいよ? 「・・・」 そんな騒がしい教室の中 一人の男子生徒が眉間にしわを 寄せていた。 彼の名前は 遠山信一
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