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正也は備え付けのインカムをつけると、正面を見た。
そこには相手が座っている。黒い武装を身に纏った神姫が憎らしく口を開いた。
「そんな装備でボクに勝てると思っているの? 悪いオーナーに当たったねぇ」
なんなんだと思いながら、正也は、
「大丈夫なのか?」
エオエルに話しかける。
「はい。スタートボタンを押す前に」
エオエルがイスの脇を指差す。そこにはディスプレイがあり、相手の情報が表示されていた。
「これはしっかり覚えておいてください。マスターを探す重要な手がかりですから」
「あ、あぁ」
正也はエオエルに半ば押される形でディスプレイに眼を通した。
ディスプレイに表示されているのは、オーナーとその神姫の名前。そして神姫の装備とその勝率だった。
「勝率、八割……」
試合回数から考えるに相当な腕前のようだ。
ふと気がつくと、相手の神姫はすでに下へと降りているようだ。
「エオエル」
「えぇ」
正也はその返事を聞いてスターとボタンを押した。
エオエルがゆっくり下へと降りていく。
ディスプレイ上ではゆっくりと立体映像が浮かび上がる。
舞台はどこかの街中のようだ。その街中にエオエルと相手の神姫が配置される。
BATTLE START!
合図とともに戦闘が始まった。
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