その一 荒川正也の場合

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「距離をとります!」 タンっ! エオエルはバックステップで相手と距離をとる。距離を十分とると唯一の武器、アルヴォPDW9を構えた。 「この距離な、え?!」 エオエルは引き金を引けなかった。なぜなら、すぐ目のまえに不適に笑う相手の顔があったからだ。 反射的に体をひねるエオエル。 ブンっ。 黒く太い腕がかすめる。ほっとしたのもつかの間だった。 ドっ。 二回目の腕がエオエルの体を突き抜ける。勢いに乗ったままエオエルは吹っ飛ばされた。
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