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慌しくタイムカードを押した正也は、
「おはようございます」
息を切らしながら挨拶をする。社内の雰囲気がどこかよそよそしい。
(あぁ、やっぱりそうなんだ)
正也は納得するや否や、カバンを机の脇に置くと重々しい足取りで会議室へと向かった。
社長と部長を目の前にしている正也の気分は重い。
「わかっているとは思うが、君には自主退社をしてもらいたい」
社長の一言一言に、
「十分わかっているさ」
と、正也は言いたくなる。
「僕が全部悪かったのだろう!」
と、正也は怒鳴りたくなる。そんな気持ちを抑えながら正也は黙っていた。彼が言った言葉は一言だけだった。
「わかりました」
これだけだった。
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