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親父とは仲たがいしていたが離婚した俺は行くとこもなく実家に身をよせている
玄関に入ると居間に明かりがついてるのが見える
実家は隣にビルが建ってるため昼でも陽が射さない
じっとりとした空気が漂う
俺は居間の脇を無言ですり抜け階段を昇る
部屋に入り干してあったタオルで濡れた髪を乾かしながら
さっきの女の事を思いだし後ろを振返った
後ろには誰も居るはずもなく、啓司はようやく横になった
時間は早かったが疲れが貯まっていたせいか眠りに落ちていった
「うぅぅ…」
「うぅ…」
何時なんだろぅ?
うめき声のような音で啓司は目が覚めた
声は下から聞こえてくるみたいだ…
少し寝ぼけながら階段を降りる
「ギシ…ギシ…」
昼間とは違う夜の静けさのせいか、階段がきしむ音が妙にうるさい
声は居間から聞こえてくるようだ
そっと柱の陰から覗いてみる
「!!」
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