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「イタタ…」
目が覚めたら頭に包帯が巻かれていた
啓司はまだもうろうとしてるせいか病室がやけに暗く感じた
どうやら軽症ですんだみたいだな…
トイレに行きたいな…
啓司は痛む体を引きずりながら病室を出た
廊下に出ると小さな補助灯のみで薄暗い
とりあえずトイレを探す
この病院なんか見た事あるような…
「もしかして前に祖父さんが入院した国立病院じゃなぃかな…?」
意識がボンヤりとしつつ薄暗い廊下を進む
トイレが見えた
「ふぅ、良かった」
病室に戻ろうとドアのへりに手をかけた時、遠くに点滴を吊るして歩く人影が見える
啓司は気にも止めず病室まで戻ろうと歩きだした
「キィ…キィ…」
点滴の吊るす三脚のような機械の音がする
「キイ…キイ…」
点滴の音はトイレを通り過ぎた…
俺と病室近いのかな…?
「キイ…キイ…」
音は付かず離れずついてくる
普段ならどうって事ない音も夜の病院という環境のせいか啓司は少し怖くなってきた
少し急ぎ足になる
「キイ…キイ…」
気のせいか点滴を吊るした人影も早くなった気がした
ガラッ!!!
病室の取手を勢いよく引き、啓司は飛び込むように病室に戻った
「はぁ…はぁ…」
息を整え布団に入るとまたあの音が聞こえてきた
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