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「うーん、もう朝か…」
啓司は寝起きのボケーとした頭で、昨日の事は夢だと思い気にしないようにした
昼はあっという間にすぎ、また静かな夜が来た…
消灯時間になるといっせいに電気が消え否応なしに薄暗くなる
季節はまだ初夏なのに暑くて寝苦しい。
少しうたた寝しているあの音が聞こえてきた…
「キイ…キイ…」
まただ…ここらの病室なのか?
ベットの脇からカーテンを少し開けて擦りガラスを凝視する
音が近付いてくる…
病室の擦りガラス越しに影が見えた!
影はすっと病室の前に立ち止まり、こっちを覗いてるかのようだった
点滴の影だけが不気味に揺れてる
啓司は息を殺し、布団の隙間から様子を伺う
時間がどのくらい経ったろうか?
ふいに点滴が揺れ人影が動きだす
「キイ…キイ…」
そして、隣の病室に入っていった
「隣だな…?明日の朝一で注意しにいこう…」
啓司は頬に伝わる汗を拭きながら死んだように眠りについた
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