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『そこの角を曲がればっ…ぶっっ?!』
近道しようと住宅の間を曲がった直後、異物が顔面にぶつかった。
思わず後ろに尻餅をついてしまい、衝突した物体を睨み付けた。
『いってえな馬鹿!お前どこ見て歩い……なにこれ?』
思い切りガン飛ばして文句を言おうとした雨音だが、ぶつかったものの正体を見て唖然とした。
まん丸で、もさもさの毛が生えていて、モー○リのような触角が生えていて、つぶらな瞳と猫のような口…。
そして何より…
『浮いてる…。』
〔モキュ。〕
モキュ?
『今のもしかして鳴き声…?』
〔モキュ。〕
その白い物体は、返事をするように鳴いた。
可愛い。
本来ならば、そう思えるほど愛らしい姿だった。だが、今の雨音は違う。
キーンコーンカーンコーン……
『学校ォオォォ!!!』
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