再襲撃

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相変わらず凄まじい筋肉が丸分かりな全身黒タイツに、丸いレンズの黒いサングラス。 「ボスタイツってあたしのぉ事? 品も無けりゃ捻りもなぁい。あたしの名ぁ前は【ブリリアント】。覚えておいて損はなぁいわ」 悠長に自己紹介している割には、全く隙が無い。 事実アレンを始め、ベットに寝ている僕達以外は既に戦闘体勢だけど、それ以上が無い。 「そう構えなぁいでよ。あたしはただこのぉ役立たずを迎えに来ただぁけなぁの」 「動くな、そして答えろ! アムルは一体何を企んでいやがる!」 足組み式空気椅子をしながら頬杖をつくボスタイツ(ブリリアントなんて呼ぶ気はサラサラ無い)に向かい、アレンがいつの間にか呼び寄せた、火をと灯した紅蓮の棒を眼前に突き付ける。 「熱いじゃなぁい。発汗作用と髭を焼く事にぃよる美よぉう効果を期待する前にぃ、お肌が荒れちゃうじゃなぁいのぉ」 そう言ったボスタイツは炎揺らめく棒に指を押し当て……って消えた!? 正確には指を押すのにそって、指に吸い込まれていく様になんだけど。 そう言えばそういう能力があったんだっけ。 バズナルさんの例を見れば、多分何らかの精霊の力だろう。 ただ、片手が塞がっている今がチャンス! 「『変幻自在の魅惑のだ……ん』……あれ?」 目が……霞む?
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