再襲撃

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「ここどこ~?」 身に起きた出来事が信じられないのか、誰もが黙る中ようやく言葉を発したのはシェイラだった。 そこは円形の葉や地面を這う長い蔓、背の低い木などが鬱蒼と生い茂った場所で、ジメジメとして蒸し暑い。 「この植物は……【ルノアメ地方】のですわね。ワーナーズの大陸の最南端ですわ」 「そんな所までどうやって飛ばされたんだ?てか……暑いな」 アンジェが冷静に回りを見ている一方で、上着を脱ぎながら疑問と文句を言うのはアレン。 「言霊から察するに、あれは闇精霊だね。あんな強力なものは初めて見たよ」 「んな感心してる場合じゃねぇですぅ。ネクセの虚脱を早く治療しなきゃいけないから、すぐに近くの村探すですぅ」 ベッドに寝ていた状態で移動させられたため、そこから起き上がりながら会話する2人。 そして、その横で横たわる息が荒いネクセを心配げにみながらメイはアレンに担ぐ様、シュウはシェイラに空から周りを見る様それぞれ指示した。 『そよ風と共に-フロート-』 10m程昇ったシェイラは、その場でゆっくりと回った。 どうやらここは小高い丘の様で、幸運な事にすぐふもとに町が見えた。 それをみんなに報告をした後、「それと~」と付け加える。 「大きいお屋敷が~あったよ~」 「まあ素敵ですわ! アレンが頼めば、きっと手厚く迎え入れてくれるはずですわね」 手を叩きながら喜ぶアンジェ。 すぐに行くべきという事で、一同はシェイラを先頭にその町へと向かった。 ―ガサ―
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