そして彼女はやって来た

7/47
前へ
/121ページ
次へ
「ヨル、ヨル」 両親は私をそう呼ぶ。 『ヨルネッテ』を縮めて 『ヨル』 お母さんはお化粧が仕事。 色んな人をキレイにするお仕事。 いつも元気でお父さんに 「ヒルダは子どもがそのまま大人になった人です」 って言われてた。 お父さんは手や足を造るのがお仕事。 せんそうや事故とかで無くなった人に変わりの手足を造ってあげるんだよ。 いつも優しくてお母さんに 「マフィが笑顔じゃなくなる時はなにか恐ろしいことが起きそうで気が気でない」 って言われてた。 お父さんと、お母さんと、私。 二人のお仕事で色んな所に行った。 お城で王様に会ったり、 森で大きなモンスターに会ったり、 船で海を渡ったり、 ドラゴンの背に乗って空を飛んだり、 お母さんが斧を持ったおじさんと戦ったり、 お父さんが綺麗なおじさんに追いかけられたり… 色んなことがあった。 三人一緒に色んな所に行って 色んな思い出が出来ていく。 これからも ずっとそうだと 思ってた。                            
/121ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加